消耗品の補充|切らさないための置き方と発注
目次
梱包のテープが切れた。ラベルの用紙が無い。出荷の直前に気づいて、近くの店に買いに走る。消耗品は在庫管理の対象から外れていることが多く、切らしてから気づきます。置き方と発注の形を決めると、この場面が消えます。
この記事では、消耗品の補充を、切らす理由、対象の洗い出し、置き方、発注の仕組み、費用の見方の順に整理します。保護具や安全に関わる消耗品は、社内の安全の担当に扱いを確かめてください。
結論:誰の担当でもないから、切れる
消耗品が切れるのは、管理する人がいないからです。
理由は3つです。
1つ目は、在庫管理の対象から外れていることです。システムに載っていません。
2つ目は、担当が決まっていないことです。気づいた人が発注する形。
3つ目は、少額だからです。気に留められません。
3つ目が問題を隠します。1つ200円のテープでも、切れると出荷が止まります。金額ではなく、切れたときの影響で管理するかどうかを決めてください。
対象を洗い出す
まず、何が消耗品かを書き出します。
分けるのは4つです。
1つ目は、梱包の材料です。段ボール、テープ、緩衝材、ストレッチフィルム。
2つ目は、表示の材料です。ラベル、インク、伝票用紙。
3つ目は、作業の道具です。カッターの刃、手袋、ペン。
4つ目は、設備の消耗品です。フォークリフトのバッテリー液、機械の部品。
2つ目がいちばん困ります。ラベルの用紙やインクが切れると、出荷そのものが止まります。種類も多く、機種ごとに違うので、切らすと代わりが利きません。優先して管理してください。
優先順位を決める
すべてを同じように管理する必要はありません。切れたときの影響で分けます。
分けるのは4つです。
1つ目は、切れたら止まる物です。ラベル、伝票、テープ。
2つ目は、切れたら困る物です。手袋、カッターの刃。
3つ目は、切れても何とかなる物です。ペン、メモ。
4つ目は、調達に時間がかかる物です。特注品、取り寄せ。
1つ目と4つ目を優先してください。この2つだけでも仕組みを作れば、出荷が止まる場面がほぼ消えます。残りは切れてから買っても間に合います。
置き方で分かるようにする
在庫が減っていることが、見て分かる置き方にします。
やり方は4つです。
1つ目は、定位置を決めることです。いつも同じ場所に。
2つ目は、量が見える形にすることです。箱の中ではなく、並べて置く。
3つ目は、線を引くことです。「この線まで減ったら発注」と示します。
4つ目は、最後の1箱に印を付けることです。開けたら発注、と決めます。
4つ目がいちばん簡単で確実です。最後の1箱に赤いテープを貼っておくだけです。開けた人が発注するか、担当に伝える。数を数えなくても、切れる前に気づけます。
発注の仕組み
発注は、誰かが気づく形から、決まった形へ変えます。
作るのは4つです。
1つ目は、担当を決めることです。1人。
2つ目は、見る日を決めることです。週に1回。
3つ目は、発注の一覧を作ることです。品名、発注先、いつもの数量。
4つ目は、承認の要否を決めることです。金額の線を引きます。
3つ目を作ると、誰でも発注できます。「この品名を、この会社に、この数」と書いてあれば、担当が休んでも代わりができます。発注先の連絡先と、前回の単価も書いておいてください。
発注のまとめ方
少額の物を1つずつ発注すると、手間と送料がかかります。
やり方は4つです。
1つ目は、発注先ごとにまとめることです。
2つ目は、発注の日を決めることです。毎週◯曜日。
3つ目は、送料が無料になる金額を確かめることです。
4つ目は、急ぐ物だけ別に発注することです。
2つ目を決めると、まとまります。「木曜に発注」と決めておけば、週の途中で気づいた物がそこに集まります。毎回ばらばらに発注するより、手間も送料も減ります。
使う量を見る
補充の量は、使う量から決めます。
見るのは4つです。
1つ目は、月の使用量です。発注の記録から分かります。
2つ目は、季節の波です。繁忙期に増える物。
3つ目は、調達にかかる期間です。
4つ目は、置き場の広さです。まとめ買いできるか。
1つ目を発注の記録から出してください。「テープを月に何本使っているか」が分かれば、何本になったら発注するかが決まります。感覚で決めていた部分が数字になります。
費用の見方
消耗品は、少額が積み重なる費用です。
見るのは4つです。
1つ目は、月ごとの合計です。
2つ目は、品目ごとの金額です。
3つ目は、出荷の件数あたりの費用です。
4つ目は、無駄になっている分です。使わずに古くなった物。
3つ目が指標になります。「出荷1件あたり、梱包の材料費がいくら」という数字が出ると、梱包の見直しの効果を測れます。金額を下げる話をするときの土台になります。
保護具や安全に関わる物
消耗品の中には、安全に関わる物があります。
気をつけるのは4つです。
1つ目は、切らさないことです。手袋、保護めがね。
2つ目は、規格に合った物を買うことです。
3つ目は、交換の時期です。傷んだまま使わない。
4つ目は、勝手に安い物に替えないことです。
4つ目に注意してください。費用を下げるために安い手袋に替えたら、必要な性能が無かったという形があります。安全に関わる消耗品を替えるときは、社内の安全の担当に確かめてください。
現場から声が上がる形にする
消耗品は、使う人がいちばん早く気づきます。
作るのは4つです。
1つ目は、気づいた人が書ける紙です。「これが少ない」と1行書ける形。
2つ目は、置き場所です。消耗品の棚のそば。
3つ目は、見る担当と頻度です。
4つ目は、対応したことを返すことです。
4つ目が続くかどうかを決めます。書いても何も起きないと、次から書かれません。「発注しました」と1行返すか、実際に補充された物を見せるだけで足ります。
発注の記録を残す
消耗品の発注も、記録を残すと使えます。
書くのは4つです。
1つ目は、日付と品名です。
2つ目は、数量と単価です。
3つ目は、発注先です。
4つ目は、届いた日です。
2つ目の単価を残してください。値上がりに気づけます。少額の物ほど、単価が上がっても気づかれません。年に1回、前の年と比べると、見直す品目が見つかります。
置き場を1か所にまとめる
消耗品があちこちに散らばっていると、量が分かりません。
やることは4つです。
1つ目は、1か所に集めることです。
2つ目は、種類ごとに区切ることです。
3つ目は、表示を付けることです。品名と、発注の目安。
4つ目は、現場に置く分を決めることです。作業の場所に少量。
4つ目とセットにしてください。1か所にまとめると、作業の場所から遠くなります。取りに行く手間が増えると、まとめ買いして手元に置くようになり、また散らばります。作業の場所に置く量を決めて、そこを補充する形にしてください。
季節で変わる物を先に見る
消耗品には、季節で使う量が変わる物があります。
見るのは4つです。
1つ目は、繁忙期に増える物です。梱包の材料、ラベル。
2つ目は、暑い時期に増える物です。飲み物、塩分の補給、冷却用品。
3つ目は、寒い時期に増える物です。手袋、防寒具、滑り止め。
4つ目は、前の年の記録です。
2つ目と3つ目は、安全に関わる消耗品です。暑い時期に飲み物が切れる、寒い時期に手袋が足りない。季節の前に発注する形にしておいてください。前の年の記録から、いつ増えるかが分かります。
切れたときの記録を残す
切らしてしまったときは、記録に残します。
書くのは4つです。
1つ目は、いつ切れたかです。
2つ目は、何が切れたかです。
3つ目は、どう対応したかです。買いに行った、他から借りた、作業を止めた。
4つ目は、なぜ切れたかです。発注の遅れ、使用量の増加、記録の漏れ。
4つ目を書くと、直す場所が決まります。「発注したのに届いていなかった」なら発注先の問題、「気づかなかった」なら置き方の問題です。切れた件数を月に1回数えると、仕組みが効いているかが分かります。
まとめ
消耗品の補充は、誰の担当でもないから切れます。
- 金額ではなく、切れたときの影響で管理するかを決める
- いちばん困るのは、ラベルの用紙やインク。切れると出荷が止まる
- 最後の1箱に赤いテープ。開けたら発注、という形がいちばん確実
- 発注の一覧を作ると、担当が休んでも代わりができる
- 安全に関わる消耗品を、費用のために勝手に替えない
保護具や安全に関わる消耗品は、社内の安全の担当に扱いを確かめてください。
よくある質問
Q. 全部の消耗品を管理する必要がありますか。 A. ありません。切れたら止まる物と、調達に時間がかかる物だけで足ります。この2つに仕組みを作れば、出荷が止まる場面がほぼ消えます。
Q. いちばん簡単な方法は何ですか。 A. 最後の1箱に赤いテープを貼ることです。開けた人が発注するか、担当に伝える。数を数えなくても、切れる前に気づけます。
Q. 発注の担当を1人にすると、休んだときに困ります。 A. 発注の一覧を作ってください。品名、発注先、いつもの数量、連絡先、前回の単価。書いてあれば、代わりの人でも発注できます。
Q. 少額の発注で送料がかかります。 A. 発注の日を決めて、まとめてください。「毎週木曜に発注」と決めておけば、週の途中で気づいた物がそこに集まります。送料が無料になる金額も確かめます。
Q. 補充の量はどう決めますか。 A. 発注の記録から月の使用量を出してください。「テープを月に何本使っているか」が分かれば、何本になったら発注するかが決まります。
Q. ラベルの用紙が特殊で、すぐ手に入りません。 A. 調達に時間がかかる物として、優先して管理してください。予備を1セット多めに持つ判断も要ります。切れると出荷そのものが止まります。
Q. 費用を下げたいのですが。 A. 出荷1件あたりの費用を出してください。梱包の見直しの効果を測れます。ただし安全に関わる消耗品は、費用だけで替えないでください。
Q. 手袋を安い物に替えてよいですか。 A. 社内の安全の担当に確かめてください。必要な性能が無い物に替えてしまうことがあります。作業の内容に合った規格の物を選ぶ必要があります。
Q. 置き場が散らばっています。 A. 定位置を決めて、量が見える形に並べてください。箱の中にしまうと、減っていることが分かりません。線を引いて「この線まで減ったら発注」と示す方法もあります。
Q. 誰かが勝手に買ってきます。 A. 発注の担当と、承認の要否を決めてください。金額の線を引いて、それ以下は担当の判断にすると回ります。バラバラに買うと、単価も揃いません。
Q. 季節で使う量が変わります。 A. 繁忙期の前に増やしてください。前の年の発注の記録を見れば、いつ増えるかが分かります。置き場の広さと相談して、まとめ買いの量を決めます。
Q. 使わずに古くなった物があります。 A. 一度数えて、要らない物を処分してください。買いすぎているか、使わなくなった物です。次からの発注の量を見直す材料になります。
Q. 現場から「これが無い」と言われてから発注しています。 A. 気づいた人が書ける紙を、消耗品の棚のそばに置いてください。書いても何も起きないと、次から書かれません。「発注しました」と1行返す形にしてください。
Q. 単価を記録する意味はありますか。 A. あります。少額の物ほど、値上がりしても気づかれません。年に1回、前の年と比べると、見直す品目が見つかります。発注先を変える判断の材料にもなります。
Q. 消耗品があちこちにあります。 A. 1か所に集めて、種類ごとに区切ってください。ただし作業の場所に置く分も決めてください。遠くなると、まとめて手元に置くようになり、また散らばります。
Q. 現場に置く量はどう決めますか。 A. 1日か2日分です。多く置くと在庫が見えなくなり、少ないと取りに行く回数が増えます。使う量から決めて、補充する担当と頻度をあわせて決めてください。
Q. 季節で使う量が変わる物はありますか。 A. 繁忙期の梱包材、暑い時期の飲み物や冷却用品、寒い時期の手袋や滑り止めです。安全に関わる物なので、季節の前に発注してください。前の年の記録から時期が分かります。
Q. 切らしたことは記録しますか。 A. 残してください。なぜ切れたかを書くと、直す場所が決まります。発注の遅れなのか、気づかなかったのか。件数を月に1回数えると、仕組みが効いているかが分かります。
Q. 消耗品の管理は誰の仕事ですか。 A. 担当を1人決めてください。「気づいた人が」にすると、誰もやりません。見る日を週に1回決めて、一覧に沿って発注する形なら、30分で終わります。
Q. まとめ買いすると安くなりますが、置き場がありません。 A. 置き場の広さと、値引きの額を比べてください。置き場が狭い倉庫では、まとめ買いが他の在庫を圧迫します。発注の回数を増やすほうが、結果として安く済むことがあります。
Q. 発注の一覧には何を書きますか。 A. 品名、発注先、連絡先、いつもの数量、前回の単価、発注の目安です。これだけあれば、代わりの人でも発注できます。1枚にまとめて、担当以外も見られる場所に置いてください。