在庫を合わせる書き方2026.06.18 公開ZS-05

仕入先台帳の作り方|1社1行でそろえる項目

目次

急ぎで発注したいが、連絡先が担当者の頭の中にしかない。その人が休んだ日に止まります。仕入先台帳は、取引のある会社の情報を1か所にまとめたものです。作るのは半日ですが、そのあと何年も効きます。

この記事では、仕入先台帳を、何のために作るかそろえる項目最新に保つ方法評価に使う方法新しい仕入先を足すときの手順の順に整理します。取引の契約や与信に関わる判断は、社内の経理や法務の担当に確かめてください。

仕入先台帳の様式そのものを探している場合は、在庫板にそろっています。

結論:担当者の頭の中を、1枚に出す

仕入先の情報は、担当者ごとに持っていることが多くあります。

困るのは3つの場面です。

1つ目は、担当が休んだときです。急ぎの発注ができません。

2つ目は、担当が替わるときです。引き継ぎに時間がかかります。

3つ目は、比べたいときです。同じ物を扱う会社が複数あるかが分かりません。

困る3つの場面担当が休む急ぎの発注ができない担当が替わる引き継ぎに時間がかかる比べたい同じ品目の他社が分からない
休み・引き継ぎ・比較という3つの困る場面を並べた層の図

3つ目は、気づかれにくい損です。同じ品目を2社から買っていて、片方がずっと高いことがあります。台帳が無いと、そもそも比べようがありません。

そろえる項目

台帳は、1社1行にすると使いやすくなります。

入れるのは5つの塊です。

1つ目は、会社の情報です。名称、住所、電話、担当者、代わりの連絡先。

2つ目は、取引の情報です。扱う品目、支払いの条件、締めと支払いの日。

3つ目は、納期の情報です。通常の納期、最短の納期、休業日。

4つ目は、実績です。年間の取引額、納期遅れの回数、不良の件数。

5つ目は、書類です。基本契約書、秘密保持の契約、見積書の保管場所。

5つの塊仕入先台帳会社名称と連絡先取引品目と支払条件納期通常と最短と休業日実績遅れと不良の回数書類契約書の保管場所休業日が意外に効く知らずに発注して納期が遅れる
会社・取引・納期・実績・書類という5つの塊を並べた表

3つ目の休業日が意外に効きます。年末年始や盆の休みが会社ごとに違い、知らずに発注して納期が遅れることがあります。1行書いておくだけで防げます。

連絡先は複数持つ

担当者1人の番号だけだと、その人がつかまらないと止まります。

持つのは4つです。

1つ目は、担当者の直通です。

2つ目は、代わりの担当者です。

3つ目は、会社の代表番号です。

4つ目は、緊急のときの連絡先です。夜間や休日に連絡が要る取引なら。

連絡先は4つ持つ連絡先中身担当者直通の番号代わりの担当名刺をもらうときに聞く代表番号つながらないときに緊急夜間や休日の連絡が要るなら
担当者・代わりの担当・代表番号・緊急という4つの連絡先を並べた表

2つ目を聞いておいてください。「担当が休みで分かりません」と言われるのは、こちらが代わりの人を知らないからでもあります。名刺をもらうときに、代わりの方の名前も聞いておくと違います。

最新に保つ方法

台帳は、作った日から古くなります。

保つ工夫は4つです。

1つ目は、更新の時期を決めることです。年に1回。

2つ目は、気づいたときに直すことです。担当が替わった、番号が変わった。

3つ目は、直す人を決めることです。誰でも直せる形にするか、1人に集めるか。

4つ目は、直した日を書くことです。いつの情報かが分かります。

最新に保つ4つ1更新の時期年に1回2気づいたと担当や番号が変わった3直す人1人に集めるか全員か4直した日いつの情報か分かる
更新の時期・気づいたとき・直す人・直した日という4つの工夫を並べたフロー
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仕入先台帳と発注の記録をまとめて整えるなら、在庫板の様式が近道です。

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4つ目を入れてください。「この電話番号はいつのものか」が分からないと、かける前に不安になります。更新の日が2年前なら、確かめてからかけることになります。

実績を記録する

台帳に実績を足すと、評価の材料になります。

記録するのは4つです。

1つ目は、納期を守った割合です。遅れた回数を数えるだけで足ります。

2つ目は、不良の件数です。入荷検品で見つかった数。

3つ目は、対応の速さです。問い合わせへの返事。

4つ目は、価格の推移です。

1つ目と2つ目を数えるところから始めてください。「あの会社はよく遅れる」という感覚を、回数にすると話せます。改善を求めるときも、取引を見直すときも、数字があると進みます。

新しい仕入先を足すとき

新しい取引先を足すときは、決まった手順で確かめます。

確かめるのは4つです。

1つ目は、扱える品目と納期です。

2つ目は、支払いの条件です。

3つ目は、必要な書類です。契約書、登録の情報。

4つ目は、社内の承認です。誰が決めるか。

4つ目を決めておいてください。現場が良かれと思って新しい会社から買い始めることがあります。支払いの条件も契約も無いまま取引が始まると、あとで整えるのが大変になります。

台帳から発注につなげる

台帳と発注は、つながっていると速く動けます。

つなげるのは4つです。

1つ目は、品目から仕入先を引けることです。この品番はどこから買うか。

2つ目は、複数の仕入先がある品目を分かるようにすることです。

3つ目は、納期を見て選べることです。急ぐときにどこへ頼むか。

4つ目は、過去の価格が見えることです。

2つ目が効きます。急な欠品のときに、「ほかにどこから買えるか」がすぐ分かると、対応が速くなります。品番ごとに、買える会社を2社以上書いておいてください。

取引をやめるとき

取引を終えるときも、台帳に残します。

残すのは4つです。

1つ目は、終えた日です。

2つ目は、理由です。価格、品質、納期、先方の都合。

3つ目は、残っている取引です。補修部品の供給、預けている金型。

4つ目は、返す物と受け取る物です。

3つ目を確かめてください。取引をやめても、補修部品だけは続けてもらう必要があることがあります。金型や治具を預けている場合は、返してもらうか、そのまま置くかを決めます。終わった取引先の行を消さないでください。

見る人の範囲を決める

台帳には、取引の条件が入ります。見る人を決めます。

決めるのは4つです。

1つ目は、見てよい人です。購買、現場、経理。

2つ目は、価格を見せるかです。現場には品目と納期だけ、という分け方もあります。

3つ目は、置き場所です。共有のフォルダか、システムか。

4つ目は、持ち出しの扱いです。

2つ目を分けると、現場でも使えるようになります。価格が入っていると見せられませんが、連絡先と納期だけの版なら現場に置けます。1つの台帳から、2つの形を出す仕組みにしてください。

1枚から始める

台帳を最初から完璧に作ろうとすると、着手できません。

始め方は4段です。

1つ目は、4項目だけで作ることです。会社名、扱う品目、連絡先、通常の納期。

2つ目は、取引額の大きい順に並べることです。上位の20社で、取引の大半を占めることが多くあります。

3つ目は、使いながら足すことです。必要になった項目を書き足します。

4つ目は、半年後に見直すことです。使われていない欄は外します。

始め方の4段14項目会社・品目・連絡先・納期2上位から取引額の大きい20社3使いながら足す必要になった項目を4見直し半年後に使われない欄を外す
4項目・上位から・使いながら足す・見直しという4段の始め方のフロー

2つ目で作業量が決まります。取引先が100社でも、上位20社を作れば実用になります。残りは、注文が入ったときに1行ずつ足していけば、半年で埋まります。

支払いの条件をそろえて見る

台帳に支払いの条件を入れると、資金の流れが見えます。

書くのは4つです。

1つ目は、締め日です。月末か、20日か。

2つ目は、支払いの日です。翌月末、翌々月10日など。

3つ目は、支払いの方法です。振込、手形。

4つ目は、条件を変えた履歴です。

1つ目と2つ目がそろうと、月ごとの支払いが読めます。会社ごとに締めと支払いが違うと、その月にいくら出るかが分かりません。台帳で一覧にすると、経理の側でも使えるようになります。

品目から引ける形にする

台帳は会社ごとに作りますが、現場が引くのは品目からです。

作るのは4つです。

1つ目は、品番と仕入先の対応表です。この品番はどこから買うか。

2つ目は、複数の仕入先がある品目に印を付けることです。

3つ目は、通常の納期を並べることです。どこが速いか。

4つ目は、最低の発注の数量です。少量では買えない品目があります。

品番から引く表の4列中身品番と仕入先どこから買うか複数の印2社以上ある品目納期どこが速いか最低数量少量では買えない品目
品番と仕入先・複数の印・納期・最低数量という4つの列を並べた表

4つ目を書いておくと、無駄な相談が減ります。「10個だけ欲しい」と言われても、その品目の最低発注が100個なら、その場で答えられます。知らないと、聞いてから折り返すことになります。

見積もりの履歴を残す

台帳と一緒に、見積もりの履歴を持っておくと価格の話ができます。

残すのは4つです。

1つ目は、日付と品番です。

2つ目は、数量と単価です。

3つ目は、有効期限です。

4つ目は、比べた他社の金額です。

4つ目があると、次の交渉が速くなります。「前回はここが安かった」という事実が残ります。見積書そのものを綴じるだけでは、比べられません。1行の表に落としておいてください。

引き継ぎのときに渡す

担当が替わるとき、台帳があれば引き継ぎが短く済みます。

渡すのは4つです。

1つ目は、台帳そのものです。

2つ目は、品番と仕入先の対応表です。

3つ目は、取引の経緯が特殊な会社の一覧です。値引きの約束、支払いの例外。

4つ目は、直近の見積もりの履歴です。

3つ目が口伝えで消えます。「あそこは前の担当が特別な条件で話をつけている」という情報は、台帳の備考欄に1行書いておかないと引き継がれません。次の担当が普通の条件で話して、関係が崩れることがあります。

まとめ

仕入先台帳は、担当者の頭の中を1枚に出したものです。

  • 困るのは、担当が休んだとき、替わるとき、比べたいとき
  • 入れるのは、会社・取引・納期・実績・書類の5つの塊
  • 連絡先は複数持つ。代わりの担当者の名前を聞いておく
  • 納期遅れと不良の回数を数えると、感覚が数字になって話せる
  • 取引をやめても行を消さない。補修部品や預けた金型が残る

取引の契約や与信に関わる判断は、社内の経理や法務の担当に確かめてください。

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よくある質問

Q. 台帳を作るのに、どのくらいかかりますか。 A. 取引先が数十社なら半日です。まず会社名、品目、連絡先、納期の4項目だけで1枚にしてください。実績や書類の欄は、あとから足せます。

Q. 誰が作りますか。 A. 購買か、発注をしている人です。担当者ごとに持っている情報を集めるところから始まります。集めるときに、代わりの担当者の名前も聞いておいてください。

Q. 更新が続きません。 A. 更新の時期を1年に1回決めて、直す人を1人にしてください。気づいた人が直す形だと、誰も直しません。直した日を書く欄を作ると、古さが見えます。

Q. 納期遅れの回数を数えるのは手間です。 A. 遅れたときだけ、台帳に「正」の字を足す形で足ります。毎回記録する必要はありません。遅れた事実だけを数えれば、傾向は分かります。

Q. 同じ品目を複数の会社から買っています。 A. 品番ごとに、買える会社を2社以上書いておいてください。急な欠品のときに、すぐ次の手が打てます。価格の比較の材料にもなります。

Q. 現場に台帳を置きたいのですが、価格が入っています。 A. 価格を抜いた版を作ってください。連絡先と納期だけの版なら現場に置けます。1つの台帳から2つの形を出す仕組みにすると、更新も1回で済みます。

Q. 新しい仕入先を現場が勝手に増やしています。 A. 承認の手順を決めてください。支払いの条件も契約も無いまま取引が始まると、あとで整えるのが大変になります。誰が決めるかを1行決めるだけで防げます。

Q. 取引をやめた会社の行はどうしますか。 A. 消さないでください。補修部品の供給や、預けている金型が残っていることがあります。終えた日と理由、残っている取引を書いて、区別が付く形にしてください。

Q. 休業日を書く意味はありますか。 A. あります。年末年始や盆の休みは会社ごとに違い、知らずに発注して納期が遅れます。1行書いておくだけで防げます。

Q. 秘密保持の契約は、どこに書きますか。 A. 書類の欄に、締結の有無と保管場所を書いてください。契約書そのものは別に保管します。台帳には「ある/無い」と、どこにあるかだけが分かれば足ります。

Q. 与信の情報も入れますか。 A. 入れる場合は、見る人の範囲を絞ってください。判断は社内の経理や法務の担当が行います。台帳には、確認した日と結果だけを書く形にしている会社があります。

Q. システムに入れるべきですか。 A. 表計算で足ります。件数が増えて、発注や在庫とつなげたくなってから考えてください。まず1枚にまとめることが先で、道具はそのあとです。

Q. 取引先が多すぎて作れません。 A. 取引額の大きい順に、上位20社から作ってください。それで取引の大半を占めることが多くあります。残りは注文が入ったときに1行ずつ足していけば、半年で埋まります。

Q. 支払いの条件も入れますか。 A. 入れると資金の流れが見えます。締め日、支払いの日、方法。会社ごとに違うと、その月にいくら出るかが分かりません。経理の側でも使えるようになります。

Q. 現場は品番から引きたがります。 A. 品番と仕入先の対応表を別に作ってください。通常の納期と最低の発注数量も入れておくと、その場で答えられるようになります。会社ごとの台帳とセットで持ちます。

Q. 見積書を綴じているだけです。 A. 1行の表に落としてください。日付、品番、数量、単価、有効期限、他社の金額。綴じただけでは比べられません。次の交渉のときに効きます。

Q. 引き継ぎで何を渡しますか。 A. 台帳、品番と仕入先の対応表、取引の経緯が特殊な会社の一覧、直近の見積もりの履歴です。特殊な条件は備考欄に1行書いておかないと消えます。

Q. 台帳はどこに置きますか。 A. 共有のフォルダか、社内のシステムです。個人の端末に置かないでください。休みの日に見られません。価格を抜いた版を現場用に別に置く形が使いやすくなります。

Q. 年に1回の更新で、何を確かめますか。 A. 連絡先、担当者、休業日、支払いの条件の4つです。担当者と連絡先は変わります。取引額と納期遅れの回数も、その機会に入れておくと評価に使えます。

Q. 仕入先の評価は、どう伝えますか。 A. 数字で伝えてください。「3か月で納期遅れが5回」という事実は、感覚の話になりません。改善を求めるときも、取引を見直すときも、同じ数字を使えます。