出荷を間違えない実務2026.06.24 公開SK-06

直送の管理|倉庫を通らない荷物をどう追うか

目次

仕入先から客先へ直接送る。倉庫を通らないので、社内では誰も現物を見ていません。着いたかどうか、正しい物が行ったかどうか、こちらには分かりません。直送は手間が減るぶん、見えなくなる部分が増えます。

この記事では、直送を、見えなくなるもの追うための記録仕入先と決めること間違いが起きたときの動き在庫との関係の順に整理します。取引の条件や責任の範囲は契約で決まります。社内の営業と、取引先に確かめてください。

直送の管理の様式そのものを探している場合は、在庫板にそろっています。

結論:現物を見ていないので、記録でしか追えない

直送は、倉庫を通らない出荷です。

見えなくなるのは3つです。

1つ目は、物そのものです。数も状態も、社内の誰も確かめていません。

2つ目は、出荷の日です。仕入先がいつ出したかは、聞かないと分かりません。

3つ目は、着いたかどうかです。客先か仕入先に聞くまで分かりません。

見えなくなる3つ数も状態も誰も見ていない出荷の日聞かないと分からない着いたか客先か仕入先に聞くまで
物・出荷の日・着いたかどうかという3つの見えなくなるものを並べた層の図

3つとも、記録と連絡でしか埋められません。倉庫を通る出荷なら現物を見て気づけますが、直送は気づく機会がありません。だから仕組みが要ります。

追うための記録

直送の記録は、普通の出荷とは別の項目が要ります。

書くのは5つです。

1つ目は、受注の内容です。品番、数量、客先、希望の納期。

2つ目は、仕入先への発注の内容です。いつ、何を、どこへ送るよう頼んだか。

3つ目は、仕入先の出荷の連絡です。出荷日と送り状の番号。

4つ目は、到着の確認です。いつ着いたか。

5つ目は、客先への連絡です。出荷しましたと伝えた日。

記録する5つ直送の管理受注品番と客先発注仕入先へ依頼した日出荷出荷日と送り状到着いつ着いたか連絡客先へ伝えた日出荷の連絡が来ない取引はこちらから聞送り状の番号を取り決めておく
受注・発注・出荷連絡・到着・客先連絡という5つの記載事項を並べた表

3つ目が抜けると、何も追えません。仕入先から出荷の連絡が来ない取引では、こちらから聞く形にしてください。「出荷したら送り状の番号を連絡する」と取り決めておくのがいちばん確実です。

仕入先と決めること

直送は、仕入先が客先と直接やり取りする形になります。決めごとが要ります。

決めるのは4つです。

1つ目は、送り状の名義です。自社名で出すか、仕入先の名前で出すか。

2つ目は、納品書の内容です。単価を入れるかどうか。仕入価格が客先に見えてしまうことがあります。

3つ目は、梱包と表示です。自社の指定があるか。

4つ目は、出荷の連絡です。いつ、誰に、何を知らせるか。

仕入先と決める4つ決めること中身送り状の名義自社名か仕入先名か納品書金額を入れない形に梱包と表示自社の指定があるか出荷の連絡いつ誰に何を知らせるか
送り状の名義・納品書・梱包と表示・出荷連絡という4つの決めごとを並べた表

2つ目が事故になります。仕入先が普段どおりの納品書を同梱すると、仕入価格が客先に届きます。直送を始める前に、必ず確かめてください。「金額の入らない納品書を同梱」と決めるのが一般的な形です。

客先と決めること

客先の側にも、知らせておくことがあります。

伝えるのは4つです。

1つ目は、直送になることです。別の会社から届きます。

2つ目は、どこから届くかです。送り主の名前。

3つ目は、検品の方法です。客先が受け取って数を確かめます。

4つ目は、不具合があったときの連絡先です。自社へ連絡してもらいます。

客先に伝える4つ伝えること中身直送の周知別の会社から届く送り主どこから届くか検品受け取って数を確かめる連絡先不具合は弊社へ
直送の周知・送り主・検品・連絡先という4つの伝えることを並べた表
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直送の管理と納期回答の様式を探しているなら、在庫板のものが近道です。

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4つ目を伝えておかないと、客先が仕入先に直接連絡します。そうすると、自社が知らないところで話が進みます。「不具合は弊社へご連絡ください」と、注文請書か納品の案内に書いておいてください。

間違いが起きたときの動き

直送で間違いが起きたら、3者のあいだで動きます。

動きは4段です。

1つ目は、客先から内容を聞くことです。何が、いくつ、どう違うか。写真をもらいます。

2つ目は、仕入先に確かめることです。何を出したか、記録と送り状。

3つ目は、対応を決めることです。不足分の手配、回収、返金。

4つ目は、記録に残すことです。

間違いが起きたときの4段1客先から聞写真を3枚もらう2仕入先に確記録と送り3対応の決定不足の手配・回収・返4記録経緯を残す
客先から聞く・仕入先に確認・対応の決定・記録という4段のフロー

1つ目で写真をもらってください。現物を見ていないので、言葉だけでは状況が分かりません。外装、中身、送り状。この3枚があれば、仕入先との話が速く進みます。

在庫との関係

直送は、在庫を通りません。システム上の扱いを決めておく必要があります。

決めるのは4つです。

1つ目は、在庫を計上するかです。通過したことにするか、まったく通さないか。

2つ目は、受注への引当てです。在庫が無くても受注を受けられる形か。

3つ目は、仕入の計上です。いつ仕入れたことにするか。

4つ目は、売上の計上です。

1つ目を決めないと、数が合わなくなります。直送なのに在庫を通す設定になっていると、入っていない物が在庫に載り、出ていない物が減ります。瞬間的には合っても、途中で棚卸をすると差異が出ます。経理の担当と決めてください。

納期の管理

直送では、納期の確認がこちらの仕事になります。

やることは4つです。

1つ目は、仕入先の納期を確かめることです。発注のときに回答をもらいます。

2つ目は、客先に伝えることです。

3つ目は、遅れそうなときに先に連絡することです。

4つ目は、着いたことを確かめることです。

3つ目がいちばん差になります。倉庫を通る出荷なら、遅れていることに社内で気づけます。直送は気づけないので、発注のときに「遅れる場合は連絡してください」と頼む形にしてください。頼んでおかないと、着かないことで初めて分かります。

一覧にして見る

直送の案件は、一覧にして見ないと抜けます。

入れるのは5つです。

1つ目は、受注の日と番号です。

2つ目は、客先と品目です。

3つ目は、仕入先と発注の日です。

4つ目は、出荷の連絡を受けた日です。

5つ目は、到着を確かめた日です。

5つ目が空欄のまま残っているものを、毎週見てください。出荷の連絡は来たが、着いたかどうかを誰も確かめていない案件が溜まります。週に1回、空欄を埋める時間を取れば、抜けが消えます。

直送を使う判断

すべての案件を直送にできるわけではありません。向き不向きがあります。

向いているのは4つです。

1つ目は、大きい物や重い物です。倉庫を通すと、荷役の手間が二重になります。

2つ目は、急ぐ物です。倉庫を経由する日数が省けます。

3つ目は、そのまま出せる物です。検品や加工が要らないもの。

4つ目は、仕入先が信頼できる場合です。

3つ目と4つ目を確かめてください。検品が要る物を直送にすると、不良がそのまま客先へ行きます。倉庫を通す手間は、検品の機会でもあります。手間だけを見て決めないでください。

社内の役割を決める

直送は、営業・購買・出荷のあいだで抜けます。役割を決めます。

決めるのは4つです。

1つ目は、発注する人です。仕入先へ依頼する人。

2つ目は、追う人です。出荷の連絡と到着を確かめる人。

3つ目は、客先へ連絡する人です。

4つ目は、間違いが起きたときの窓口です。

社内の4つの役割役割中身発注仕入先へ依頼する追う出荷の連絡と到着を確かめる客先連絡出荷と納期を伝えるトラブル窓口間違いが起きたとき
発注・追う・客先連絡・トラブル窓口という4つの役割を並べた表

2つ目が決まっていない会社が多くあります。発注したら終わりになっていて、着いたかどうかを誰も見ていません。倉庫を通る出荷では出荷の担当が自然に見ていますが、直送には見る人がいません。名前で決めてください。

仕入先を選ぶときに見ること

直送を任せられるかどうかは、仕入先の力によります。

見るのは4つです。

1つ目は、出荷の連絡ができるかです。送り状の番号を知らせてもらえるか。

2つ目は、納品書の調整ができるかです。金額を入れない形にできるか。

3つ目は、梱包の質です。客先に届く物なので、見た目も関わります。

4つ目は、間違えたときの対応の速さです。

2つ目ができない仕入先では、直送を使えません。システムの制約で納品書を変えられない会社があります。始める前に確かめてください。あとから分かると、既に出てしまっています。

費用の分担を決める

直送では、送料や梱包の費用がどちらの負担かを決めます。

決めるのは4つです。

1つ目は、送料です。仕入先が持つか、こちらが持つか。

2つ目は、梱包の材料費です。指定の梱包を頼む場合。

3つ目は、急ぎの便の追加費用です。

4つ目は、間違いがあったときの回収と再送の費用です。

4つ目を先に決めておいてください。間違いが起きてから話すと、責任の話と費用の話が混ざります。「仕入先の出荷ミスなら仕入先が負担」というように、原因ごとに決めておくと揉めません。

直送の割合を見る

直送が増えると、倉庫を通らない売上が増えます。全体を見る必要があります。

見るのは4つです。

1つ目は、直送の件数と金額です。全体に占める割合。

2つ目は、間違いの件数です。倉庫を通る出荷と比べます。

3つ目は、納期の守られ方です。

4つ目は、客先からの評価です。

2つ目を比べてください。直送のほうが間違いが多いなら、倉庫を通す手間には理由があったということになります。件数が少ないうちは気づきませんが、割合が増えると差が出ます。

記録を1つの場所にまとめる

直送の記録は、あちこちに散らばりがちです。1か所にまとめます。

集めるのは4つです。

1つ目は、受注の記録です。営業が持っています。

2つ目は、発注の記録です。購買が持っています。

3つ目は、出荷の連絡です。メールで来ることが多くあります。

4つ目は、到着の確認です。誰かが電話で聞いた結果。

3つ目と4つ目が散らばります。メールの受信箱や、個人のメモに残ります。案件ごとに1行の一覧を作って、そこに日付を書き込む形にしてください。メールを探し回る時間が消えます。

まとめ

直送は、現物を見ていないので、記録でしか追えません。

  • 見えなくなるのは、物・出荷の日・着いたかどうかの3つ
  • 仕入先とは、納品書に金額を入れないことを必ず決める
  • 客先には「不具合は弊社へ」と伝える。直接やり取りされると話が見えなくなる
  • 在庫を通すかどうかを経理と決める。設定がずれると棚卸で差異になる
  • 検品が要る物を直送にしない。倉庫を通す手間は、検品の機会でもある

取引の条件や責任の範囲は契約で決まります。社内の営業と、取引先に確かめてください。

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直送の管理と納期回答の様式をまとめて整えるなら、在庫板が近道です。

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よくある質問

Q. 仕入先が納品書に単価を入れて送ってしまいました。 A. 直送を始める前に決めておく必要がある項目です。「金額の入らない納品書を同梱」と取り決めてください。起きてしまった場合は、客先に説明し、仕入先にも再発の防止を求めます。

Q. 送り状の名義はどちらにしますか。 A. 自社名で出す形が多くあります。客先から見て、どこから届くのかが分かりやすくなります。仕入先の発送の仕組みで対応できるかを確かめてください。

Q. 着いたかどうか、どう確かめますか。 A. 送り状の番号で追うか、客先か仕入先に聞きます。一覧に「到着を確かめた日」の欄を作って、空欄を毎週見る形にしてください。

Q. 客先が仕入先に直接連絡してしまいます。 A. 「不具合は弊社へご連絡ください」と、注文請書か納品の案内に書いてください。自社が知らないところで話が進むと、あとで揃えるのが大変になります。

Q. 在庫はどう扱いますか。 A. 通過させるか、まったく通さないかを経理の担当と決めてください。設定がずれていると、入っていない物が在庫に載ります。途中で棚卸をすると差異が出ます。

Q. 遅れていることに気づけません。 A. 発注のときに「遅れる場合は連絡してください」と頼んでください。倉庫を通る出荷と違い、社内で気づく機会がありません。頼んでおかないと、着かないことで初めて分かります。

Q. 間違いが起きたとき、何からやりますか。 A. 客先から写真をもらってください。外装、中身、送り状の3枚です。現物を見ていないので、言葉だけでは状況が分かりません。写真があると、仕入先との話が速く進みます。

Q. 検品はどうしますか。 A. 客先が受け取って確かめる形になります。だから検品が要る物は直送にしないでください。倉庫を通す手間は、不良を止める機会でもあります。

Q. どの案件を直送にしますか。 A. 大きい物、重い物、急ぐ物、そのまま出せる物です。検品や加工が要る物、仕入先の品質が安定しない物は避けてください。手間だけを見て決めないことです。

Q. 一覧は何を見ますか。 A. 受注、客先と品目、仕入先と発注日、出荷の連絡を受けた日、到着を確かめた日です。到着の欄が空欄のまま残っているものを毎週見てください。

Q. 売上と仕入はいつ計上しますか。 A. 社内の経理の担当に確かめてください。出荷の日か、到着の日かで扱いが変わります。決めたら、直送の記録にその日付を残す形にしてください。

Q. 仕入先に客先の情報を渡してよいですか。 A. 渡さないと直送ができませんが、秘密保持の契約を確かめてください。客先の同意が要る場合もあります。社内の営業と確かめてから進めてください。

Q. 着いたかどうかを誰も見ていません。 A. 追う人を名前で決めてください。倉庫を通る出荷では出荷の担当が自然に見ていますが、直送には見る人がいません。一覧の空欄を毎週見る担当を1人置くだけで変わります。

Q. 仕入先が納品書を変えられないと言います。 A. その仕入先では直送を使えません。始める前に確かめてください。あとから分かると、既に仕入価格が客先に届いています。梱包の質と出荷連絡の可否も、同じタイミングで確かめます。

Q. 間違いがあったときの費用は、どちらが持ちますか。 A. 原因ごとに先に決めておいてください。「仕入先の出荷ミスなら仕入先が負担」というように決めておくと、起きてから揉めません。契約か取り決めの書面に入れます。

Q. 直送を増やしてよいものでしょうか。 A. 間違いの件数を、倉庫を通る出荷と比べてください。直送のほうが多いなら、倉庫を通す手間には理由があったということになります。件数の少ないうちは差が見えません。

Q. 出荷の連絡がメールで来ます。 A. 案件ごとの一覧に日付を書き込んでください。メールの受信箱に残ったままだと、探し回ることになります。一覧の1行に集約すれば、状況が一目で分かります。